自然環境教育研究所
創価学園の小学校、中学校では、代表の児童・生徒が参加し、サマーセミナーを実施しています。
豊かな自然の中で、体験学習、観察学習を行っています。
2022年度に実施したサマーセミナーの報告です。
鳥取砂丘でコウボウムギを観察しました
関西創価中学校1年生の31名は7月21日から23日に鳥取県で学習を行いました。今回のサマーセミナーで最も自然に触れ合うことができ貴重な経験となった行事が二つあります。
まず一つ目に、鳥取砂丘の散策です。砂丘に到着し、ガイドの方が生徒に「足で砂を少し掘ってみてください」と呼びかけられ、生徒たちが砂を掘ってみると砂の色が濃く、湿っていることが観察できました。日本のように湿潤気候下にある海岸砂丘では、砂の表面温度が高い真夏でも、乾燥している砂のすぐ下の層は常に湿っているそうです。砂漠と鳥取砂丘は地形的に似ていることから同じであると、誤って認識している生徒も多いです。この砂丘では乾燥が植物の生育の制限になっていないことが分かりました。したがって、鳥取砂丘は、砂漠とは生態系的にもまったく違うということを学ぶことができました。生徒が砂丘に生息するコウボウムギという植物を触ると、種が飛び出てきて驚いている様子がうかがえました。生徒の感想の中でも「砂丘の色々な生物が見られて、楽しかったです」とありました。砂丘は砂だけの世界ではなく、砂を生活の場としている生物がいることを実感することができ、他の生物の共生の重要さを学ぶことができました。「3日間の行程で、一番印象に残っているのは何ですか」という質問に対し、最も多かった回答が「鳥取砂丘の散策」でした。
二つ目に、ブルーベリー狩りです。訪れた先の農園では、無肥料・無農薬で約40種類のブルーベリーを育てています。甘いものから甘酸っぱいものまであるため、食べ比べをして好みのブルーベリーを見つける生徒もいました。ほかにも園内でブルーベリーのソフトクリームを食べました。生徒のサマーセミナーの振り返りでは、「農家さんからもらったチケットでブルーベリーのソフトクリームを食べました。ブルーベリーの酸っぱさとクリームの甘さが重なってとても美味しかったです」と述べていました。ブルーベリー狩りを初めて経験する生徒もいて、大変貴重な体験になったと感じました。
今回のサマーセミナーでは、以上の二点以外にも自然と触れ合いました。理科の教員である私自身も初めて観察した生物もいたため、生徒とともに大いに学ぶことができました。参加した生徒も目を輝かせながら観察を行い、楽しむ姿が印象的でした。
農園でブルーベリー狩りを体験しました
伊吹山で植物の観察を行ないました
7月22日~24日(2泊3日)、6年生(40期生)が滋賀県琵琶湖・伊吹山方面にて、サマーセミナーを実施しました。1日目から3日目の各行程を児童の感想から紹介します。
【1日目】伊吹山文化資料館
伊吹山文化資料館では、イヌワシや、昔の道具、薬草のことなど、色々なことを学びました、そして、僕が一番心に残ったことは、ヤマトタケルの話です、ヤマトタケルは、日本全国を制し、油断して、武器を持たずに伊吹山に行き、最終的に負けてしまい、逃げましたが、亡くなってしまいました。僕は、この話を聞き、何事にも油断なくいこうと学びました。また、縄ないでは、地域の方がわざわざ来ていただいて丁寧に教えてもらいました。そして、教えてくださった方がとても上手くて、わらじを作っていて、驚きました。
【2日目】伊吹山登山
伊吹山の8合目までバスで行きました。駐車場に着くと、辺り一面、真っ白で雲の中でした。気温14度でしたが、雨・風が強く、体感気温はもっと低く感じました。しかし、そんな厳しい環境の中でもきれいな花がたくさんあり、見ることができました。事前に花について調べていましたが、やはり自分の目で見た方が感動が大きかったです。しかし、花が鹿や温暖化の影響でどんどん減っているとのこと。このような素敵な環境を守っていきたいと心から思いました。
【3日目】関ケ原古戦場記念館・関ケ原古戦場〜関ヶ原の戦い〜
関ケ原古戦場記念館では、関ヶ原の戦いについて、武将の心の動きや西軍と東軍の動きなど、詳しく展示され、学びを深めることができました。天下決着の戦いはわずか6時間で決まり、短い時間でこのような戦いが決まったと知り、とてもおどろきました。また、迫力のある映像では、関ヶ原の戦いについてさらに詳しく、実物のような動きがわかりました。関ヶ原の戦いで使った刀や、火縄銃、鉄砲や、旗などを持って体験することができました。今でも武将たちが戦った関ヶ原古戦場跡が残っていてとてもおどろきました。実際の決戦地に行って、武将たちの、裏切った小早川秀秋の気持ちや、敗走していく石田三成の気持ちや、必ず勝ちたいという徳川家康の気持ちを実感することができ、関ケ原で実際に戦っているような気持ちを味わうことができました。
以下、サマーセミナーを終えての感想を紹介します。
〇3日間のサマーセミナーの活動を終え、私は、自然環境についてさらに興味を持つことができました。伊吹山を案内してくださった、「守り人の会」の先生方は、温暖化や鹿の害から、お花を守るために柵を立てて守っていて、心から感謝するとともに、自然を守ることの大変さを感じました。また、琵琶湖では、ゴミがたくさん落ちており、これも自然破壊に繋がると考えました。だからこそ、ゴミをすぐゴミ箱に捨てたり、ポイ捨てしてあるゴミを拾ったりなど、心がけようと思いました。自然環境を守ることは、最終的には、私たち人間にも返ってきます。だからこそ、私は、自然を大切にしていきたいと心から思いました。
〇僕はこのサマーセミナーを終えて2つのことに挑戦しようと思いました。まず1つ目は、環境を大事にするということです。結局自分たちがやったことは自分たちにかえってくるので、まず自分にできることをやって行こうと思いました。特に、伊吹山の花が減っていることに衝撃を受けました。2008年ごろから、どんどん減り、花が見られなくなったとのこと。それは、温暖化や鹿が食べたということが原因だそうです。「守り人の会」の皆さんが、花がどんどん減っている中でも負けずに花を守っている姿を見て僕もどんなことがあっても負けずに挑戦しようと思いました。2つ目は、感謝を忘れないことです。このサマーセミナーでは、僕たちが見えないところで地元の方々や伊吹山文化資料館の方々、ホテルの人や他にもたくさんの人が僕たちのために一生懸命、動いてくださっていました。そのような中で、少しでも人のために役立ちたいと行動をし、ホテルの方や行く先々で褒めていただき、本当に嬉しかったです。これからも、感謝の気持ちを忘れず、勉強や読書、スポーツに挑戦し、力を付けていきます。
関ヶ原の一帯を見渡しました
コウノトリを展望台から観察
7月22日~24日(2泊3日)、6年生(40期生)の児童が兵庫県豊岡・神鍋方面にて、サマーセミナーを実施しました。1日目から3日目の各行程を児童の感想から紹介します。
【1日目】コウノトリの郷公園
コウノトリの郷公園では、人とコウノトリの関係を学びました。1つ目は、コウノトリはオス同士の縄張り意識が高く、あまりケンカを好まないことです。だから「谷」が多い豊岡はコウノトリにとって最高の場所だと思います。2つ目は、昔、「じる田」という餌場があったということです。ここからコウノトリも増え、今も田んぼが多いため、カエルやザリガニも豊富です。これも大きな理由ですが、やはり、1958年に保存会へ発展させた方々がいなかったら今のコウノトリの郷公園はなかったと思います。だから絶滅危惧種としてコウノトリを保護することはとても意味のあることだと思います。
【2日目】植物フィールドワーク
地元の方が講師として来てくださり植物について学びました。
初めに、神社にある「木」のことを教えてくださいました。木の周りが3m以上の木を「樹木」と呼ぶことを初めて知りました。植物観察に行く途中に川があり、その川は昔、洗濯や米や野菜、おむつを洗ったりするところだったそうです。この川を「あらいと」といいます。また、「人工林」と「自然林」の見分け方も教えて下さいました。ハッカクという植物からインフルエンザの薬ができたそうです。また、昆虫もたくさんいて、いつも以上に、色んな昆虫やカエル、バッタなどに触れることができました。そして、昨日、雨が降り、いつもは見られない「幻の滝」や、貴重な「テツカエデ」など、また、草や、木のにおいをかいで、その植物が、何に使われているのかなどを、教えて下さいました。
【3日目】昆虫フィールドワーク
昆虫の研究をしておられる講師の先生と神鍋山に行って昆虫について教えていただきました。草原には、ジャノメチョウやキチョウ、ツマグロイナゴモドキ、小さいカマキリなどいろいろな昆虫を捕まえることができました。とてもうれしかったです。宿舎に帰ってきたあとも、昆虫について教えていただきました。先生は、昆虫以外に植物にも詳しく、自然はすべて繋がっているんだなと思い、自然についてより興味を持ちました。
神鍋山は岩がたくさんあり、土が少ないから木が生えにくいので、草原ができやすいことが神鍋山の特徴ということが分かりました。草原があるから昆虫がたくさんいてすごいなと思いました。いろんな昆虫のことを知れてとても面白かったです。
以下、サマーセミナーを終えての感想を紹介します。
〇コロナ禍の中、色々な人に支えられて、サマーセミナーを開催できたことに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。サマーセミナーでは、コウノトリの生態や植村直己さんの人生、昆虫の生態を学ぶことができました。神鍋は自然が魅力的なとてもいいところで、どこに行ってもとても面白いです。地球温暖化や、SDGsなどの解決策を考えたいと思います。関係者の皆さんへの感謝を忘れず、これからもがんばっていきます。本当にありがとうございました。
〇サマーセミナーを終えて、一番学んだことは、人と自然の関わりです。今、世界的に問題になっている「環境問題」ですが、私たちも自然について真剣に考えていかないといけないと思います。植物、昆虫、生き物、すべて繋がっています。だから一人ひとりが自分のことだけではなくて、周りのことも考えていこうと思いました。このサマーセミナーで学んだ「思いやり」や人の話を聞く力を次の修学旅行に生かして参ります。
観察用の昆虫を採集しました
湿原の成り立ちに加えて、シカが地球温暖化で増えすぎていることも学びました
中学1年生(55期生)38名は、7月28日から30日まで長野県霧ヶ峰方面を訪れました。
初日に心配していた雨雲は、到着時にはすっかり消え、真っ青な夏空に高く大きな入道雲が見られました。訪れた霧ヶ峰の施設では地元の皆さんに大歓迎して頂きました。ここを開くため、さまざまな準備を何か月も前からして下さったと伺い、生徒たちは、多くの人に支えられていることを深く実感していました。施設の記念室を見学し、創立者の青年を大切にする慈愛に触れることもできました。グラウンドではかつての研修で行われた「円陣バレー」に皆で挑戦し、友情を深めました。その後「忘れ路の丘」を登り、野外研修が行われた場所を訪れ、創立者が出席されて質問会が行われた宿舎まで足を運びました。
2日目は白樺湖畔でのラジオ体操から開始しました。車山に登り、そこから物見岩、八島ヶ原湿原までの行程は天候にも恵まれ、高原の気持ち良いそよ風を感じながら、元気にトレッキングを楽しみました。山頂では日本アルプスを一望でき、感動的な景色でした。特別天然記念物にも指定されている湿原の豊かな自然に触れるとともに、自然と人間との共生について考える機会となりました。夜の野外バーベキューでは、事前に役割分担をし、自分たちの力で進めることができました。花火大会と美しい星空観察も楽しみ、忘れられない思い出となりました。
最終日は搾乳体験とソーセージ作りを行いました。実際の作業に加え、乳牛が死を迎えるまでの話を通して「命をいただくこと」の意味を考えるきっかけとなりました。
サマーセミナーを通して皆が大成長することができました。生徒からは「霧ヶ峰の景色がとてもきれいで感激しました。創立者をより身近に感じながら、皆で仲を深めることができて本当に嬉しかったです」「湿原ができるまで一万年かかっていると知り、驚きました。カラマツの林へ行ったとき、人間活動による地球温暖化で自然のバランスが崩れていると学び、自分にできることを考えていきたいと思いました」「乳牛は大きくて驚いたけれど、勇気を出して触るとかわいかったです。普段食べている物も、たくさんの人の努力がつながっていると知り、心を込めていただきます・ごちそうさまを言いたいです」との感想や決意が寄せられました。
牧場で乳牛と触れ合いました
体験を通してリニアの仕組みを学びました
7月21日から23日まで2泊3日で、42期生22名の児童で、河口湖方面のサマーセミナーを実施しました。
1日目の最初の研修は、リニア見学センターでリニアが走る仕組みを学びました。見学センターの横を時速500㎞で走る様子を何度も見学でき、大興奮でした。午後は、富士山世界遺産センターを訪問。ガイドさんの説明で富士山の歴史を学びました。その後、遊覧船やロープウェイに乗り、河口湖と周辺地域を見学しました。ホテルに着くと創立者からの激励のアイスをいただき、笑顔で1日目を終えました。児童の感想を紹介します。「今日は、リニアの見学が一番楽しかったです。リニアの仕組みを近くで学んで、人のために新しい楽しい物を作りたいと思いました」。
2日目は、富士山科学研究所を訪問し、研究員の方による自然環境学習、ネイチャーゲームを行いました。ビンゴでは「針のように細く尖った葉」や「胸の赤い大きなアリ」などの項目を見つけながら自然と触れ合いました。植物の形や生息場所など一つひとつに理由があることを知り、驚いていました。午後は樹海体験ツアーで、青木ヶ原樹海、富岳風穴、鳴沢氷穴を見学しました。ネイチャーガイドの方の説明で、樹海の歴史や生息する植物について学びました。またガイドさんご自身が遭難しそうになった体験談を通して、樹海での方角の見つけ方や気を付けることを教えていただき、皆、真剣に聞き入っていました。富岳風穴、鳴沢氷穴に入るとあまりの寒さに驚きの声があがり、自然が作り出した雄大さに感動していました。2日目を終えて児童からは「今日楽しかったことは、富士山科学研究所でフィールドビンゴやフィールドワークをしたことです。あっという間に時間が過ぎました」「今日、特に楽しかったのは、風穴と氷穴です。とても寒かったけど、今日はとても暑い日だったので、涼しくて快適な空間でした。メンバー全員で行けてよかったです」との感想があがりました。
最終日は午前に富士山レーダードーム館を見学。気象観測台を建設した人々の苦闘について学びました。午後は、山中湖の近くにある施設を訪問しました。地元の方を講師としてお迎えし、池田先生と山梨についてのお話をいただき、師弟の道に生きる大切さを教えていただきました。
3日間を終えて、「師弟の絆の大切さを学びました。僕も、師匠のご期待に応えられるように頑張ります」「私は、この3日間で多くの方々にお世話になりながら、たくさんのことを学び、みんなとの友情を深めることができました」と、皆が普段触れることのない自然と触れ合い、たくさんのお話を伺い、大成長したサマーセミナーとなりました。
風穴・氷穴の気温は一年を通じて0~4℃
ヤドカリを貝殻から追い出してみました
7月21日から23日まで2泊3日、42期生24名の児童が参加し、千葉県銚子方面のサマーセミナーを実施しました。
1日目は、創立者に見守っていただくなかで、銚子市市内の施設での開校式から始まりました。その後、水生生物の研究をしておられる先生による磯の生き物の学習では、生きたヤドカリを貝殻から追い出す実験を行い、子どもたちは驚き、歓声が上がりました。ヤドカリは海に放流し、皆、満足そうでした。それから、地元の方を講師としてお迎えし、地元の方の思いや、新・人間革命を通して創立者の学園生への思いをお話いただきました。1日目を終えての児童の感想を紹介します。「1日目の今日は、磯の生き物の実験が楽しかったです。ヤドカリの体を全部見られたのは初めてでした」「1日目の今日は、創立精神を学びました。これからも、銚子や犬吠埼の歴史を通して、池田先生ことを学んでいきます」「私は、今日銚子に来て、たくさんの人から大歓迎していただき、とても感動しました。これからも感謝の気持ちを忘れず、友達と行動していきます」。
2日目は、トウモロコシの収穫体験からスタート。農場主の方が、今回のサマーセミナーに合わせて、一番いい状態になるように調整してくださったトウモロコシを収穫し、その場で、生で食べさせていただきました。トウモロコシが苦手と思っていた児童もいましたが、みんなが「甘い!美味しい!」と歓声を上げていました。午後は屏風ヶ浦の地層の見学や、地球が丸く見える丘展望館に行き、学芸員の方に詳しく説明していただきました。夜は施設の駐車場をお借りし、すいか割り大会を行い盛り上がりました。児童からは「今日の農業体験で、人生初めて、生のトウモロコシをいただきました。とっても甘く、美味しかったです。私たちは、本当にいろいろな方々のおかげで、ここに今いることができるんだなぁと思いました。感謝の気持ちを忘れずにがんばっていきます」との感想があがり、お世話になった方々への深い感謝と満足感に包まれた2日目となりました。
最終日は、晴れ渡る空のもと、犬吠埼灯台へ。灯台からは太平洋が一望でき、子どもたちはこの先に広がる世界へ思いを馳せているようでした。その後はホテルに戻り、水泳教室を実施。真夏の日差しを浴びながらの水泳はとても楽しそうで、サマーセミナーを大成功で締めくくりました。犬吠駅では、たくさんの地元の方が集まってくださり、数多くのお土産と横断幕とともに、盛大にお見送りをしてくださいました。
3年ぶりの開催でしたが、創立者に見守られ、また多くの方に支えられて、無事に終えることができました。児童からは「ぼくは、この3日間を通して、創価のつながりの大きさを学びました。このつながりをとだえさせないように、ぼくは努力をしていきます」などの声が上がり、大充実のサマーセミナーとなりました。
生のトウモロコシを試食しました